2012年11月アーカイブ

2012年11月 2日

アーチェリーと弓道

 朝晩寒さを感ずる季節になり、殊更暑かった夏のロンドンオリンピックはずいぶん昔のことのような気がします。しかし、実際にはわずか三ヶ月の前の出来事なのですね。そのオリンピックで女子アーチェリー団体が銅メダルに輝きました。日本選手(早川漣)の最後の一射が10点に吸い込まれていきました。あの緊迫した場面でよく冷静に矢をリリース(発射)できるものだと思います。対戦していたロシア選手の最後の一射も10点ならばシュートオフ(延長戦)です。8点に終わって決着がつきましたが、あのロシア選手も普段の練習では10点をほとんど外すことはない筈です。

 私は弓道教室を担当していますが、ここでアーチェリーと弓道の違いについて簡単に述べてみたいと思います。両者とも「矢をとばして的に中てる」ことは同じですが、その道具や方法は全く異なります。アーチェリーは矢を弓の左側に番え、スタビライザー(弓の振動を除去し、安定させる棒)サイト(照準器)を備えています。和弓は矢を弓の右側に番え、照準器など一切器具はつけられません。和弓は一見するとただの竹の棒に弦を張っただけのようにみえると思います。私見ですが、的に当てるためにアーチェリーは任せられる部分はできる限り道具に任せ、和弓は人間の感覚でなんとか中てようとしているのです。「狙った所に確実に当てる」ことだけを考えれば、アーチェリーの方が合理的です。それ以外では優劣を比較しても無意味です。目指すところがまるで違います。アーチェリーは、できる限り的の中心に当てて得点を競うスポーツです。弓道は的中数を競いはしますが、直径36㎝の的のどこでもよいから中ればよいのです。照準器もついていない道具で人間の感覚だけを頼りにそれを実現しろというのが弓道です。当然、初めはなかなか的に中りません。それだからこそ一ヶ月後あるいは二ヶ月後にようやく中った時の感激は忘れられません。

 この4月に弓道教室で初めて弓に触れた方の多くが現在でも弓道を続けられています。あなたも来年4月から弓を初めてみませんか。武道館の弓道教室でお待ちしています。 
尚、武道館ではアーチェリーはできません。念のため。                                                        E.H 

来年1月からの中級弓道教室(経験者)の募集期間は、11月1日~12月15日、
来年4月からの初級弓道教室の募集期間は、2月1日~3月15日 です。