2013年11月アーカイブ

2013年11月 1日

カヤ(榧)の木

 武道館の中庭、一番目につくのはモミジの木でしょうか。数えてみると17本もありました。次に多いのは何だと思いますか? 実はカヤ(榧)の木が18本で一番多かったのです。塀際に植わっていて目に付きにくいので、カヤの木があると気付いている方は多くないでしょう。
 今年、武道館勤務4年目にして初めて、カヤの実が生っているのに気がつきました。見た目はアーモンドに少し似ています。天日干しの後、煎って食べてみました。アーモンドやピーナッツより硬めの食感ですが、結構いける味でした。カヤは雌雄異株で、実の付く雌株は残念ながら1株だけで、残りは雄株。
 カヤの寿命は1000年にも及ぶと云われますが、成長スピードは遅く30cm伸びるのに3~4年、直径1.1m程の成木になるのに300年もかかるのだそうです。大変な手間と時間がかかるため、植林されることが少なくなり、今や一山に一本といわれるほど希少になっていると云います。成長が遅い分、木目が細かく緻密、柑橘類にも似た特有の香気と光沢のある淡黄色の色つやで最高級の碁盤・将棋盤の材料として知られていますが、他にも高級建築材、工芸材として珍重されているとか。実から採れる油も、上品な香りのてんぷら油として今でも高級料理店などで利用されていると云います。今や貴重な樹木となったカヤ(榧)・・・。何するでもなくただ見守るだけですが、枯れずに成長し続けることを願わずには居られません。xmas

 武道館の庭園は、ジュッセルドルフ日本庭園、ホテルニューオータニやホテルオークラの日本庭園、箱根美術館茶庭など多くの名庭園を手掛けた造園家、岩城宣太郎氏の作です。氏はどんな思いでカヤの木を選ばれたのでしょう。今の庭園は、氏のイメージを上手く実現できているのだろうかsign02 素人ながら維持管理に関わるものとして気になるところです。 
                                                             K.Y